寄居剣道連盟  百錬自得

 
 
 
 
 

 今年の冬は温暖な気候が続いています。ときどき寒さを感じる日もありますが、いつもの冬らしい寒さはほとんどありません。穏やかでいいのですが、やはり冬の緊張感が感じられないのもさみしい気がします。

 12月19日(土)で本会の稽古納めを終え、その翌週には自主稽古と称して水曜と土曜にこぢんまりと稽古をおこなったことは前の記事で報告しましたが、先週の土曜(12月26日)の稽古を終え、剣道具を仕舞いながら、いよいよこれで寄居の稽古も今年は最後だなぁ〜と感慨にひたっていると、二段の初剣の方が「来週の水曜日(12月30日)に稽古しませんか?」と声をかけてきました。場所は、まだ館長先生には聞いていないが成心館をお借りしようかと考えていると言う。すでに賛同者も何名かいて、皆さんやる気満々でした。おそれ入ります。私は、その日は予定があったので、どうしようかと即答は避けました。

 さて、前回の記事でも書いたように、12月26日(土)の夜に自主稽古を終え、そこで目の覚めるような技をいただいた私は、翌日(27日)に本庄の稽古に出かけました。行こうかやめとこうか迷っていたのですが、老師の技に触発されました。また、本庄の稽古もこの日が最後ということで、やはりあいさつがてら顔を出しておきたかったこともありました。本庄の稽古には11月の末頃から何度かおジャマしておりましたが、はやり今年最後の稽古ということで、参加者が多かったように感じました。ここでも身の引き締まる稽古をいただきました。

 実は、前の記事でも触れましたが、この年末は仕事に追われていて、この日曜も朝から職場へ行こうかと思っていたのですが、稽古を優先してまずは本庄市武道館へ赴き、稽古を終えたその足で職場へと向かったのでした。職場に着くと、隣の部署でやはり私と同じように尻に火のついた職員が必死に仕事をこなしていました。夕方ごろまでには終わるかなと思っていましたが、夕方になっても仕事は終わらず、夜まで続くのでした。隣の部署の人は、忘年会があるからといったん職場を離れましたが、飲まずに忘年会を抜けてきて、再び仕事に追われていました。かわいそうに!!と思いながらも、似たような境遇に共鳴しました。その人は夜もそこそこで力尽きて帰宅しましたが、私は結局深夜をまわり、明け方までかかってしまいました。夜中に警備員がまわってきて、私が今日は朝までかかりそうだと言うと、困った顔をされるかと思いきや!! 心配して「お腹が空くだろうから、これ食べな!」とパンを持ってくれました。ただでさえご迷惑をかけてしまっているのに、かえって申し訳なく、温かい心遣いに胸が熱くなりました。職場の窓から朝日が昇るのを見たのは初めてです。きれいでした。その頃には仕事も目処がついてきたところで、朝日の美しさと仕事の完了に感動でした。

 そんなわけで、どうにか年末を迎えることができました。これでひと安心っ! と、28日(月)の仕事納めを終えると、29日(火)と30日(水)の2日間、母校の寒稽古に行ってきました。寒稽古はすでに21日(月)から始まっていて年内は30日(水)までの10日間、年明けは1月5日(火)〜15日(金)までの11日間の計21日間の日程です。朝5:00〜7:00の早朝稽古です。平日は仕事があるので行けませんが、例年だと土日祝日はできるだけ出かけていました。今年は前述のとおり仕事に追われ、さすがに早朝にさいたま市まで出かける気力がありませんでした。状況によっては年末休みも仕事に追われるかと心配でしたが、どうにか仕事納めまでにケジメがついたので、年末の2日間だけ参加できたのでした。

 寒稽古では、主体である学生約20名はもとより、近隣の先生方や小中学生、高校生、あるいは遠方からもOBやその教え子の小中学生や高校生なども多数参加しており、私が参加した2日間も、300名を越える賑わいでした。稽古の内容や雰囲気は母校のホームページで紹介されていますので、そちらをご参照ください。

 それにしても、場所がさいたま市ですので、行き帰りの交通も大変です。帰りは2日間とも事故渋滞で、高速道路を途中下車しました。また、2日目には行く途中で事故に遭遇してしまいました。3車線あるうちの中央の車線を走行していると、ちょっと前を走っていた走行車線側の車が突然ハザードを点滅させて路肩に停車しました。何でこんなところで停まるんだろう?危ないなぁと思いつつ通り過ぎると、そのちょっと先でもハザードを点滅した車が路肩に停車していました。そこで何かを感じてやや減速しながら走行していると、路面に何やら細かい破片が散乱しています。事故か? 注視すると前方に2台、右側の追い越し車線側と左側の路肩に車が停まっていました。追い越し車線側の車は方向が左横向きになって道をふさぐ状況となっていました。破片の散乱状況から察するとけっこう激しくぶつかったのではないかと思いましたが、車を見た感じでは大きな損傷は見えませんでした。減速しながらそれらの車をよけて通り抜けようとしていたとき、後方から追い越し車線を猛スピードで走ってきた車が、追い越し車線側で停まっていた車に激突しました。よけようとしていたようですが、よけきれなかったようです。何しろ追い越し車線側の事故車は横向きになっていましたから、ライトも横を向いていて後から走行してくる車には遠目には感知できなかったかもしれません。私も前の車がハザードを出して停まったので何だろう?と思って減速しましたが、普通に追い越し車線を走っているとわからなかったかもしれません。さらなる大惨事に至らぬことを祈りつつ、私はそれらの車両をすり抜け寒稽古に向かいました。帰りの車中で、事故の情報が流れていましたが、3台の車の衝突事故で負傷者が出たとのことでした。3台の事故ということは、あのあとはさらなる事故がなかったようでホッとしました。負傷の度合いはわかりませんが、最悪の結果でなかったのが幸いです。あの状況からみて、もしかしたら私も巻き込まれていた可能性もあったかと思うとゾッとします。気をつけましょう!!

 そしてその晩、初剣の先生が主宰する稽古会に参加しました。参加者は5人でした。いつもの水曜メンバーの他に、普段は水曜には出てこない事務局長も参加していました。私は11月末から土曜の稽古に出られないでいたので久々でした。本当にこれが今年最後の稽古ということと、ご参加された皆さんの稽古熱心さに感銘を受けながら、寄居剣道連盟の聖地、成心館での稽古を堪能しました。急な稽古会でしたので、広く周知ができなかったり、参加する予定だった方が急な事情で参加できなくなったりということもあったようですが、諸事情を含めて今年一年の森羅万象に感謝申し上げ、一本一本に心をこめて立ち合わせていただきました。今年も一年、お世話になりました。ありがとうございました。

 ところで、稽古のあと、朝の交通事故の話をすると、あの事故に遭遇された方がいらっしゃいました。ただ私よりちょっと後だったらしく、事故後の渋滞に巻き込まれたとのことでした。高速道路の上り線が完全に通行止めになっていたそうです。意外なところで話が合ってびっくりしました。

 さらに、稽古のあと私の呼びかけで軽く一杯と称して、反省会というか忘年会というか、飲み会を設けました。正直言って私が飲みたかっただけのことですが、2人の方がつきあってくれました。駅前の居酒屋で今年一年を振り返りながら一献を傾けました。2人ともそれぞれ今年三段、二段に合格された方々です。おめでとうございました。今年最後の稽古を終えて、心地よく酔いしれました。

 さて、今年一年の稽古を終えて、いよいよ2015年も終末を迎えました。年の終わりといえば紅白歌合戦です。今回のこの記事のタイトル「ど真ん中しか歩きません」は、わかる方にはすぐにピンときたかもしれませんが、ももいろクローバーZが紅白歌合戦の出演者発表の日に、その落選を受けて即座に発表したコメントの最後に飾られた言葉です。このときももクロは「ももいろクローバーZは紅白歌合戦を卒業します」と言い放ちました。ネット上では「何様のつもりだ」とか「紅白落選の負け惜しみだろう」などと話題になっていたようですが、私も当初はこの「卒業宣言」には疑問を抱きました。素直な気持ちで考えれば、落選を受けて、次に向けてがんばりますというのが挑戦者の心境です。しかし、卒業しますというのは決別です。あれだけ紅白を目標にしてきたアイドルが、いともあっさりと紅白と縁を切るのかと疑問を抱きましたが、最後のこの言葉を見て、何となく理解しました。おそらく紅白歌合戦の出演者選考は真ん中ではないのでしょう。そこで、「私たちは私たちのやり方で」「私たちの道を歩き続けます」と決意したのではないかと察しました。常に前向きなももクロらしいと思いました。

 先日の寒稽古で、稽古の終わりの礼式であいさつをされていた先生が、高野佐三郎先生の言葉として「いい機会に真っすぐに打ってこられたら、これはもうどうしようもない」というお話をされていました。真っすぐを心がけて来年も稽古に励んでまいりたいと思います。

 よいお年を!

ど真ん中しか歩きません!!?

平成27年12月31日木曜日

 
 
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