寄居剣道連盟  百錬自得

 
 

 前回の記事から間が空きました。私ことですが、毎年この時期は多忙に見舞われており、過去のこのブログを読み返してみても、この時期はいつも多忙をぼやいているようです。困ったものです。

 多忙の原因は例年と同じです。まずは寄居地方武道振興会の武道会報の編集・発行。続いて、成心館剣道場の年誌の編集・発行です。そして、さらに本業のお仕事があります。武道会報や成心館の年誌は毎年恒例の作業ですが、今年は仕事が昨年から新たな部署に配置換えとなり、馴れない業務に手こずり多忙を極めました。それでもどうにか、なんだかんだ言いながら難関を乗り越えて、ここまでたどり着いて、今は胸をなでおろしています。

 武道会報の編集では何度か夜遅くまでかかり、寝不足になりながらどうにか原稿を仕上げ印刷発注に至り、先日校了しました。あとは納品を待つばかりです。本業の仕事も忙しく、毎晩夜遅くなって帰宅してからの作業だったので、体力的にもきつかったのですが、持ちこたえられてホッとしています。

 本業の仕事でも、この時期にどうしても作成しなければならない資料があり、土日も返上してその業務に追われました。そのため成心館の年誌の作成になかなか取りかかれず、毎年もうダメかと思いながらやってきましたが、今年こそ本当にもうダメだろうと思いました。それでも発行期限前の3日間、ほぼ徹夜で取り組み、どうにか3月25日の成心館の稽古参観日の配布に間に合いました。

 自分でも不思議だったのは、よく3日間も徹夜できたなという心身の状態でした。徹夜をした割には仕事中も居眠りすることもなく、昼休み中には椅子に座ったままちょっと一寝入りしましたが、むしろ日中の仕事も充実していたようにも感じました。気持ちが張りつめたことにより心身に何か特別な作用でも働き、体を動かしていたのでしょうか。私が今年の年誌に書いたのは、「もはやこれまで!と思ったときこそ活路である」ということでした。まさにその心境だったのでしょうか。


 3月25日(土)には、先に書いたように寄居成心館剣道場の稽古参観が催されました。毎年年度末に実施している道場の恒例の行事です。一年間の稽古の成果を保護者やご家族ご関係の皆さんにご覧いただくという趣旨で開催しています。成心館友の会の村田会長や寄居剣道連盟の高野先生にもご臨席いただき、厳粛に挙行されました。

 子どもたちは10数名程度ですが、はじめに木刀による剣道基本技稽古法の演武をおこない、その後稽古に入ります。剣道具を着けていない子も若干名いるので、稽古方法や内容に気遣いながら、全体で基本の稽古をしました。そしてひとしきり稽古を終えると、最後は試合です。毎年この試合では、日頃の稽古からは想像できないような好勝負が演じられますが、今年も例年にも増して驚かされるようなみごとな試合が散見されました。

 やはり親が見ているという効果もあるのだろうと感じていますが、こんないい試合ができるなら普段の稽古からやれよ(^.^;ゞと言いたくなってしまうほどです。特に、それまで伸び悩んでいた子が、それまでの稽古の中でひたすら取り組んできた技が決まった瞬間には、こちらも感動を覚えます。よくぞここまで来た!我が精鋭たちよ!!と心の中で讃えていました。次の稽古や試合でこの力が発揮されるかはわかりませんが、できることは見せてくれました。春に向かって芽が開くことを期待しています。


 さて、冒頭で自分の多忙の状況をぼやきましたが、どんなに忙しくとも稽古だけは欠かせませんでした。というか、自分の予定は剣道を中心に組まれていると言ってもいいでしょう。どんなに忙しくとも、稽古の時間にはいったん区切りをつけ、どうしても忙しい場合は、稽古を終えてから再び職場に戻ります。そういうことができる仕事なのが幸いです。忙しい合間をぬっての貴重な時間なので、自ずと稽古にも集中できるし、逆に稽古を休むとそのことが悔やまれて仕事に集中できなくなります。仕事あっての剣道であり、剣道あっての仕事かなと感じています。


 先の水曜日(3月29日)、忙しい仕事に追われて稽古場所のアタゴ記念館に着いたのが稽古時間ギリギリになってしまいました。見ると、一般は2名だけとさみしかったのですが、高校生が1名と小中学生が10数名参加しており、全体的には賑わっていました。私が道場に入ったときは、すでに稽古が始まるところで、全体で切り返しを何度かやった後、それぞれで稽古を始めたようでした。しかし、その稽古風景を見てちょっとあきれました。何とも気の抜けた稽古だったのです。

 日頃から一本一本を充実した気勢で打ち込まないと、上達しないどころか、かえってヘタになると子どもたちに伝えてはいるのですが、わかってくれていなかったようです。いや、自分たちとしてはしっかりやっているつもりなのかもしれません。だとしたら誰かが教えてあげなければいけません。あとから稽古に参加した私は、いつも以上に自分に言い聞かせて、一本一本に心をこめて充実した気勢で打ち込むように努めました。


 恩師志藤義孝先生の「稽古訓」

一、気を抜いた稽古は絶対にしてはいけない

二、「初太刀」で勝負することを心掛けよ

三、己に厳しく稽古せよ

四、相手をすべて師とせよ

五、「生活即剣道」に努めよ


 歳を負うごとに身に染みてくる教えです。


 さて、今日から4月に入りました。いよいよ新年度の始まりです。3月の後半は再び寒さがぶり返して、雨も降ったりなどして、寒い日が続きましたが、今もなおその肌寒さが続いています。気温自体はそれほど低くもないのですが、体感温度は肌を刺すようです。


 そんな肌寒さの中、第一土曜日ということで県北地区の月例稽古会が催されました。

 春休み中のせいか、小中学生がたくさん参加していました。始まりの礼式で並んだときには小中学生のほうが多かったように感じます。相変わらず七段の先生方のご参加が多く20数名が上座側に並び、六段以下の一般が約13名で、あとは今春進学した高校生が2名、中学生が約8名、小学生約9名の全体で約50数名の賑やかな稽古会となりました。

 本日の稽古の始まりの礼式にて、県北剣友会の会長に新たに熊谷の川合先生が就任されたことが報告され、終わりの礼式にて新会長の川合先生からごあいさつを賜りました。また一つの時代の幕開けといった感じがします。前会長の柴﨑先生には大変お疲れさまでした。

 また、寄居剣連では会長は引き続き清水先生で変わりありませんが、本庄では荒井先生が、秩父では高橋先生が新たに会長に就任されたとうかがっております。新たな気持ちでよろしくお願いいたします。

成心館「稽古参観」〜春遠からじ

H.29/04/01

 
 
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